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ES9018S搭載のDACを組んでみました その1 [Renew DAC9018D]

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気づけばブログも放置気味だったのでやっつけですが投稿してみます。


かなり前にお気楽オーディオのヒロさまからES9018のDAC基板(DAD9018D v2)を頒布させて頂いてましたが昨年の冬には完成しておりました。



ヒロ様の基板の詳細は以下のURLを御覧ください。

RenewDAC9018D:http://easyaudiokit.hobby-web.net/bekkan/ES9018/ES9018.html
正負出力電源基板タイプG:http://easyaudiokit.hobby-web.net/bekkan/power-h/power-h.html
正出力電源基板タイプI:http://easyaudiokit.hobby-web.net/bekkan/power-h/power-h.html


また、ES9018は電流出力、電圧出力どちらにも対応しているようで、下記のカニさんのブログを参考にしまして、DACの電圧出力段の作動合成のみを行いアンプに出力する形式にしました。

カニさんのURL:http://triesteaudio.blog.fc2.com/blog-entry-59.html


今回の記事では初めてDACチップやロジックICなどの細かいはんだ付けを行いましてので作成する際にどういった点に注意してはんだ付けを行ったのかなどから書いていこうと思います。今まで作成してきたのはiPod用Dockケーブルやラインケーブル、iModへの改造、ぺるけ式アンプ、haigaさんの小型アンプぐらいでロジックICなどの細かいはんだ付けをしたことしかなく、チップの実装が激しく不安でしたので事前に以下の準備をしました。


①表面実装品のハンダ付け方法をYouTubeで何回も確認する

②ハンダ付けがやりやすいハンダゴテを買う

③フラックスを最大限活用する


これら3つのこと、もしくは①と③だけでも事前にやっておけばおそらくだれでも細かいチップのハンダ付けができるようになると思います。特に今回のDAC9018D基板と電源基板タイプGとIはQFNパッケージと呼ばれるピンの足が出ていないパッケージをハンダ付けしなければならないということでかなり慎重にする必要がありました。


①で参考にした動画を一応ご紹介しておきます。


紹介動画など

・How to Solder QFN MLF chips Using Hot Air without Solder Paste and Stencils


(3分30秒あたりから)

QFNパッケージの手はんだのやり方がよくわかる動画です。

この動画で重要なことは
・基板に予め予備ハンダを薄く塗っておく(フラックスもきちんと洗浄)
・チップの放熱面や少し出ているピンにも予備ハンダを薄く塗っておく(こちらもフラックスをきちんと洗浄)
・ハンダ付けの際にはこれでもかというぐらいフラックスを塗る

といった点だと思っています。動画ではヒートガンでハンダ付けしていますが私の場合ははんだごてをチップの端に軽く当ててハンダ付けをしました。

・EEVBlog #408 - Schmart Board 0.4mm QFN SMD Soldering


実際に手はんだでハンダ付けする際には上記のようにフラックスをたっぷり塗って行いました。自分の場合は15分20秒あたりからのように平たいコテ先を使って一気に5ピンずつぐらいはんだをつけるようにしていました。ハンダ付け後はルーペを使ってきちんとチップの横から出ているピンと基板のランドがはんだでつながっているかチェックします。

また、横のピンとショートしていないかも同様にチェックします。ここでフラックスをたっぷり塗っておかないとすぐに横のピンとはんだがブリッジしてしまったりするので塗りすぎるぐらい塗っておいた方がいいです。

動画に関しては "QFN Sodering"とか "SMD Soldering"などで検索するとたくさん出てくるようです。




②に関しては新しいハンダゴテというよりもコテ先の形状が重要みたいで、普通に買った時についてくるペンシル型?のコテよりも下記の左のような平たいコテもしくは接地面積が広い右のコテにしておくと非常に作業がしやすいです。

あとは温調のコテを使ったほうがさらに安心だと思います。というのもまだ細かいハンダ付けに慣れていないうちはハンダ付けをスピーディーに行えないためチップに熱を加える時間が多くなりがちです。それによってチップが破損する可能性が高いと思われるのでできるなら温調ハンダゴテを使用した方が安心だと思います。

ちなみに私はHAKKOのFX-600をこのDACを組むためだけに買いました。ちょっとお高
いですが非常に使いやすくてオススメです。

HAKKO FX-600 URL:http://www.hakko.com/japan/products/hakko_fx600.html

コテ先は下記のマイナスドライバーのような形状のタイプを使うと楽でした。
http://ec.hakko.com/goodsdetail.php?goodsid=029518

温度はうろ覚えですが320℃ぐらいで短時間にハンダ付けする方が綺麗にできる気がします。また、有鉛半田の方がハンダ付けが楽ですし仕上がりが綺麗です。有鉛はんだの場合は煙を吸い込まないように注意が必要です。



③は一番重要です。細かいチップや表面実装品をハンダ付けする場合フラックスと洗浄剤がなければ仕上がり具合がまるで違いますしハンダ付けの難易度もかなり下がりますのでフラックスと洗浄剤は必ず用意してください。

洗浄剤に関しては楽そうなサンハヤトのスプレータイプ(https://www.sunhayato.co.jp/products/details.php?u=1291&id=01033)を買ったのですが洗浄力が低くスプレーでブシャァァァァァしてもあまりフラックスがきれいにとれませんでしたので太洋電機のハケで塗るタイプ(http://www.goot.jp/handakanren/bs-r20b/)がおすすめです。あとフラックスを拭き取るための綿棒と繊維クズがでにくいキムワイプなどがあると作業がかなり楽になります。



以下ハンダ付け作成途中で撮った写真になります。

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正出力電源基板タイプHで試しにQFNパッケージのレギュレーターをハンダ付けしてみた写真。

DAC9018Dの基板セットが結構なお値段なのでまずは最悪壊れてもいい電源基板の方から半田づけしてみました。上記の写真のデバイスはQFNパッケージのレギュレータのTPS7A47くんです。

ハンダ付けの流れは

・基板のランドパターンに薄く予備ハンダ→洗浄
・チップ裏のハンダ面も薄く予備ハンダ→洗浄
・絶縁テープで基板にしっかりとチップを固定しフラックスどばどば
・丁寧に1面ずつ平型のコテを当ててハンダ付けしていく
・ルーペでハンダ不良やブリッジがないか確認
・最後に基板裏からチップの放熱面をコテの温度を上げてハンダ付け

という感じです初めてだったのでかなり丁寧に時間をかけてやりました。

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時間をかけた甲斐があったのか一発で動作が確認できました。


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その後正負電源の方も丁寧にハンダ付けし、動作を確認。いよいよDAC基板です。



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ESSのES9018Sのハンダ付け

電源基板を先に作ってみて無事所望の電圧が出力できることが確認できたので、QFNパッケージよりは難易度が下がる64-LQFPのES9018Sをハンダ付けしてみました。

こちらはチップのピンに予備ハンダをしなくても基板のランドに予備ハンダをするだけでさっとハンダ付けできました。チップの固定位置がぴったりで、フラックスをどばどば使えば割りと簡単でした。


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電源レギュレータと同じくQFNパッケージのジッタクリーナもハンダ付けできたところで残りのロジックICなどを一気にハンダ付けしました。



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その後が地獄のパスコンです。2012サイズの0.1uFを適当にハンダ付けしとけばいいのに、パナのECHUを各ランドに0.1uF, 0.01uF, 1nFと3段にして3つもハンダ付けするという暴挙に・・・これが数も多く3段でハンダ付けするのにもかなりの時間がかかるので相当な根気が必要でした・・・



各デバイスとパスコンがハンダ付けされたアップ写真がこんなかんじです↓

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ES9018

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ジッタクリーナーのSi5317

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3階建てのパスコン様





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残りの背の高いピンヘッダや電解コンデンサなどをハンダ付けして完成したのが上記の写真です。



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192kHz対応のDigital Audio Interface Receiver(DAI, DIR)であるCS8416のPLLのフィルタ回路はカニさんの真似をしましてデータシートの推奨レイアウトになるべく近づけるように無理やりハンダ付けしました(写真右上、茶色のコンデンサ周辺)



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完成写真。初めてこんなにたくさんの部品を一度のハンダ付けしました。初めての割には大きな失敗もなかったのでよかったです。


とりあえずここまでで基板が動作をするか確認をしたところ、一発でDACから差動信号が出力していることが確認できました!当時は相当嬉しかった記憶があります。絶対最初はハンダ不良等で信号すら出ないと思ってましたんで・・・


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ここまで来ればあとはDAC出力より先の差動合成基板です。
DACの出力の作動合成基板はカニさんの作動合成回路をそのまま使わせて頂きました。
URL:http://triesteaudio.blog.fc2.com/blog-entry-59.html


後は適当なフリーソフトでレイアウトを決めてみて、銅テープで広めにGNDをとって差動合成基板を作りました。

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最終的に下記のようになりました。

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同じくヒロ様に頒布していただいたRコアトランスを2個、正電源基板3枚、正負電源基板2枚で電源も極力LRで分離するように組んでみました。


PCからDACへのI2S信号伝送は下記のサイトからXMOSのUSB to I2S基板を入手し接続しています。
http://www.diyinhk.com/shop/


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384kHz Asynchronous USB to I2S

この基板からI2Sを直接DACに入力しているのでPC側のプレイヤーで384kHzにアップサンプリングしても音が出ます。それによって音質がよくなるのかはわかりませんが・・・



とりあえず昨年までは写真のようにバラックで組んで音が出ることが確認できたのでずっとバラックのまま使っておりました。

3月にこれらを筐体にきちんと入れて現在まで使っているところです。

音や、出力波形の画像に関してはまた筐体に詰めた写真を挙げるときに書こうと思います。



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